維話§ウィーンの街角でチケットを

最初にウィーンに旅した1980年の冬。驚いたことは、街角のタバコ屋
とか洋品店みたいな普通の店先のウィンドーにオペラやコンサートの
チケットが展示されて売られていることだった。

しかも、後で聞いた話ではこれらの店々でチケットが売られることは
公に認められていて、しかも正規の手数料を上乗せして売られている
ということだったのだ。

日本だったら、例えば新橋や新宿などの駅近くに金券ショップがあっ
て歌舞伎やコンサートのチケットが売られているようなものといえば
いいのかもしれないが、それよりはもっと“内々”っぽく見えるのは
不思議な光景である。

それはたぶん、ちょっとだけ早くチケットが買えるとか、何らかの権
利のようなものを持っていたと思しき街中の人達の、いわば小遣い稼
ぎとでもいったようなコネのようなものであったのだろうと推察して
いる。

1992年だったか、数回国立歌劇場に通うのに、チケットが2回くらい
しか手に入らず、あまつさえ新演出『ラインの黄金』のチケットが取
れないままにウィーンの街をふらふらすることになってしまった時、
そんな街角の何軒かにお世話になったのだ。

おかげで何とか見逃すこともなく予定のオペラに行くことができたの
はありがたかった。まあ、もっともっと競争率の高い公演の時など、
そんな風にチケットが表に出てくるようなこともないのだろうな。

《ウィーンのトピックス一覧》

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