悦話§日曜夜は おいしい和食屋さんで

重苦しい雰囲気で三越本店を出ると、夕暮れが始まっていた。ほんの
お印ばかり伸び始めた残光の中を丸の内へと向かった。……丸の内で
すとか大手町のオフィス街を歩くということなどは珍しいことかな。

三越から歩き始めて、一石橋を渡り、永代通りを右折してJRガード
をくぐると、道路を挟んで右側が大手町で左が丸の内という住居表示
になるのだ。ガードをくぐるとすぐに中央線の高架がダイナミックに
緩やかな曲線を描いて神田方向へ伸びている姿にほーっと感心する。

と、その先に初期スタイルへと復元途上の東京駅本体が姿を現してき
た。個人的にはこれまで見慣れた屋根のほうが好きだが、これもまた
いずれは見慣れることになってくれるのだろう。

さらに東京駅方向へと歩いたところで右手に新丸ビルが見えてきた。
この日の最終目的地である。中に入ると、デパートほどの規模ではな
いものの、なかなかに充実したショッピングエリアもあったりする。

何にせよ、出るものは出た後なので少しは消費活動もして景気を支え
てやらねば日本の復興はおぼつかない。というわけで一週間早いが、
ささやかにクリスマスの買い物などをしたところで、二人の腹具合が
一致した。

予約していたのは、こんな和食屋。席に案内されると、我々の眼の前
には、かつてロラン・バルトが「東京の空虚な中心」と形容した皇居
が漆黒の闇となって浮かんでいたのだ。

数kmほどの都心散歩の後の酒食は、量こそ多いとは言えないが、殊の
ほか充実したものとなって我々の舌を愉しませてくれた。締めのご飯
は銅鍋で炊いたという触れ込みで、これがまた日本人の味覚なのだな
としみじみ感じいったのである。

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