素話§絶対音感と音楽する能力

“絶対音感”という能力についてはいまだによくわかっていない部分
が山のようにあって、正直なところ困っているのだ。

鳴っている音が、ドであるとかソ#であるとかを絶対的に認識するの
だということなのだが、クラシック音楽の今の世界では、A(ラ)音の
周波数がまちまちなのである。

日本のオーケストラだと442ヘルツがほとんどで、これがアメリカ
だと440ヘルツ主流になる。そしてヨーロッパでは高めで、ベルリ
ンフィルやウィーンフィルは444ヘルツという設定であるらしい。

絶対音感の持ち主にとって数ヘルツの差は、別段のこともなく認識で
きるということなのか、それがまずもってわからない。あるいは脳内
で微調整できたりする人がいるということなのだろうか。

それに、昨今はピリオド楽器演奏が珍しくなくなって、そうするうと
中には半音低いA音での演奏もあるわけだから、絶対音感の持ち主に
とってはハ長調がロ長調に聴こえてしまうという笑えない現象も起き
ているようである。

絶対音感持ちだからといって、それだけで優れた音楽家になれると思
ったら大間違いである。世に、優れた音楽家で絶対音感を持っていな
いなどは珍しくなく“持っていればありがたい”という程度ではない
かというのが大方の考えるところだと思う。

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