糖話§トコロテンを黒蜜で?

トコロテンといえば、我々のような関東人にとっては酢醤油でツルツ
ルすするものだが、漫画の『じゃりン子チエ』を読んでいて、思わず
眼を疑うシーンにでくわした。

夏のある日、チエが友達のヒラメちゃんとカキ氷を食べた後、物足り
なかったのか店の奥に向かって「おばちゃん、トコロテン。黒蜜で」
という台詞が吹き出しにあるのを見た時、頭の中では酢醤油のトコロ
テンという固定観念しか存在していなかったので、ずいぶんとうろた
えた記憶がある。

あまり深く考えずとも、トコロテンは寒天であるから、みつ豆などと
同様に甘い蜜をかけて食べることに何の問題もない。ただ、トコロテ
ンの形状から思い浮かべたのは、細めの葛切りで、同じように見えて
寒天と葛とはずいぶんと値段が違うものだと思ったのだ。

それゆえにというか、チエちゃんのような子供のお小遣いでも十分に
楽しめる夏の冷えたおやつという設定が可能だったのだろう。その昔
の駄菓子屋には、売られている駄菓子と同じく、季節季節で子供が楽
しめる……夏だったらかき氷にトコロテン、冬だったら“もんじ焼”
のようなものを店先で商っていたのだった。

“もんじ焼”は、今の具沢山もんじゃ焼きとは違って、水溶き小麦粉
に醤油やソースを入れただけのものを鉄板で焼く、自分が食べていた
頃は味噌汁椀1杯10円というしょぼくれた食べ物だったのである。

ところでトコロテンを“心太”と呼ぶのはいかなる出自なのだろう。

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