合話§ケラー四重奏団~紀尾井ホール~

アルテミス・クァルテットが第一ヴァイオリンの故障で来日キャンセ
ルとなり、ケラー四重奏団が来日しての代替公演となった。

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3月も末だというのに、四ッ谷駅からホールに向かう土手の桜はまだ
開かずという24日土曜日の午後。プログラムは以下の通り。奇しくも
“3B”揃い踏みとなったのだ

J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080よりコントラプンクトゥス
I、Ⅱ、Ⅲ、8度のカノン、Ⅳ、Ⅵ、Ⅸ
バルトーク:弦楽四重奏曲第5番 Sz102

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 Op.59-3
                   『ラズモフスキー第3番』

[アンコール]ベートーヴェン:16番3楽章、13番2楽章

このところ、クスであるとかアルテミスという新世代系で尖り気味の
クァルテットばかり聴いていたので、バッハが流れてきた時には、中
庸なバランスのよさに感心した。弦楽四重奏でフーガの技法というの
は初めて聴いたのだが、よくも個々の奏者が迷子にならないものだと
思っていたら、パート譜ではなくスコアを使っていたということで、
それならば“ある意味安心”である。

録音を出しているだけに、練り上げられて凝縮度高い演奏を堪能した
が、聴いている頭の中では、フーガの主題が無限ループのように鳴り
続けるという困ったことになるというのもお約束だったりして……。

2曲目のバルトーク。聴きながら苦手意識を拭えずは相変わらずなが
ら、いわゆるゲンダイオンガク的な中にふとしたところでハンガリー
風な香りが漂ってきて、こういうことだったのかと感心をしたのだ。
5楽章仕立ての中では第3楽章の音楽が気に入ったのである。

ラズモフスキーの3番も、このグループの特徴である均質で癖のない
音楽が奏でられたが、いくぶんかの物足りなさも感じたのは、このと
ころ聴いていた嗜好のゆえで、尖がった演奏ばかりに気を惹かれる自
分が悪いのだ。

2曲演奏されたアンコールでは、1曲目のレントが深いビブラートで
たっぷりと演奏されたが、これもまた一年前の鎮魂を意味しているの
だろうと、会場の誰もが感じたことだろう。

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