選話§蕎麦は 蒸籠か かけか・・・

世の中には“手繰るのは蒸籠!”と決めている頑固な人が少なからず
いるに違いないとは長いこと確信していることである。

とかいう“いなせ”なところが皆無な当方は、うまい蕎麦屋であろう
がなかろうが、セイロにするか温かい蕎麦にするか気分次第で一定す
るところがない。ましてや、寒い季節に迷わず選ぶ温かい汁蕎麦は、
体が温まると決まっているのだ。

たぶん気が短いと称される“江戸っ子”にとって、熱々の汁がたっぷ
りの蕎麦は手繰るのに時間がかかってまだるっこしいということなの
ではないか。セイロだったら熱くて舌を火傷するようなこともない。

せっかちに食って、はいっ!それまで……というのが江戸っ子気質に
合っていたということなのだろう。

もっとも考えてみれば、昼飯にセイロを手繰るということの100%
ないという人間である。ランチに蕎麦を食べはするが、なぜか汁蕎麦
ばかりである。腹の減り具合に変わりはないはずなのに、セイロのほ
うがすぐ空腹になりそうな気がするという思い込みがある。

などと書きながら、世間もずいぶんと夏っぽくなってきたので、温か
い蕎麦が億劫な時節が近づいてきた。もっとも、そうなったらそうな
ったで、冷やしタヌキみたいなのを注文するという人でもあるのだ。

【去年の今日】護話§そもそも運命なるものは既にして

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