連話§ワタシの酒肴[57]バターコーン

[承前]

結婚直後から長いこと愛用したチェーン系居酒屋は“天狗”である。
夫婦で呑み食いして3000円でお釣りがくるという感涙物には感謝して
もしきれない。

まずかったら再訪することもなかっただろうが、それなりの水準の料
理だったから、他のチェーン系居酒屋に行くこともない決め打ち状態
だったのである。

そんな天狗のロングセラー酒肴にバターコーンがある。ボイルされた
粒とうもろこしを丸い鉄製のグリル皿で炒め、上にバターをのせただ
けの簡単なお料理だが、これがうまい。酒呑みであるなしとは無関係
に、同居人も喜んで食べていたのだ。

テーブルに運ばれてきた熱々なところ、さらに醤油を垂らしてやれば
香ばしさはいや増すばかりで、ごきげんな酒肴なのである。

こうして粒とうもろこしが展開した様は酒肴になってくれるのだが、
軸についたままというのは不思議なことに酒肴という感じがしない。
塩茹でしようが、焼いて醤油をつけようが、それだけで完結した食べ
物になってしまうのだ。
                            [続く]

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