環話§自分の円~人それぞれが持つ~

人はそれぞれ“円”を持ち合わせていて、およそその範囲内が自分の
価値観であるということを考えていた。大きさは人それぞれで、それ
は興味や好奇心の及ぶところであるとかの量によって違ってくる。

自分はどうかといえば、決して大きい円を持っているとはいえない。
好奇心の翼をあまり広げなかったことを後悔しているわけではないが
仮に思うままに広げてしまったら、どれもこれも中途半端に終わって
しまった可能性がある。自滅することだけは避けたかったのだ。

結局のところ残ったのはクラシックにまつわるあれやこれや程度で、
それでも中年になって歌舞伎に手を出したわけだが、これとて長い雌
伏の時を経てようやくのアプローチでたどり着いたことである。

こういったあたりは、それなりに円の一部を広げ伸ばしていったが、
広げなかったなあというあれこれがあって、例えば“おいしいもの”
を好奇心のままに食べに行ってみようということは希薄なままに終わ
りそうだ。

まずいものをわざわざ食べようとは思わないのは当然のことだが、何
かのメディアに登場した“うまい店”へと積極的に出向いてみるとい
うことも、新しい店を開拓する意欲よりは、行き慣れて食べ慣れてい
る店に行くという欲求のほうが勝ってしまうことで、開拓精神も欠落
しているのである。

まあ、それ以外にもおずおずと広げたりしている物事がないわけでは
ないが、全般としては引っ込み思案というところだろうか。

【去年の今日】遁話§最初は親から逃げる・・・

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