露話§三谷版『桜の園』~パルコ劇場~

先週土曜日の、うまいこと梅雨の切れ目となった午後は、原宿の奥地
に足を伸ばして同居人への罪滅ぼしなどさせていただきつつ、19時開
演三谷幸喜版『桜の園』を観るためにパルコ劇場へと向かった。

さて、三谷の舞台を観るのは三度目。三谷オリジナルではなく、チェ
ーホフの原作を三谷が翻案してのステージである。

『桜の園』の実演を観るのは二度目。もう20年以上も前だったか、京
橋のセゾン劇場でピーター・ブルック演出の舞台を観て以来なのだ。
あの時は、あらかじめ戯曲を読んで行ってはみたものの、言葉の壁に
邪魔をされてしまったような気がした。

今回の“喜劇仕立て”という試みだが、台詞の大筋は崩してはいない
ようで、小さなくすぐりを積み重ねて、結果として喜劇に仕立て上げ
たてなところだろう。

所有していた自分の土地を、何ら打開策を講じられないまま競売にか
けられ、その土地を競り落としたのは、かつての使用人であるという
末期ロシアの転換点の巨大な皮肉。

そこに三谷の入れごとが加わったことで、悲劇の中に潜む喜劇性が炙
り出されたということだが、さてそのあたりがは三谷の意図した通り
だったのだろうか。試みとしてはおもしろかったがというのが今回の
結論である。

芝居を観てていつも思うのは、一回くらいじゃあよくわからない……
それは自分自身の理解度の問題なのだが、結局は中にある“仕掛け”
の重要さに気がつかないままということもあるのだろうなと思う。

2012.6.23

【去年の今日】週話§日曜呟き~6月最後の日曜日~

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