腿話§生ハムは薄いがゆえをもって

先週末、都心に買い物に出た。用事を済ませるとちょうど夕食の時間
のこととて、マンネリ同然で相も変らぬ居酒屋に腰を落ち着けた。

ヱビス中生を傾けながら御品書きを見回すと珍しや生ハムなどという
文字が飛び込んできた。この居酒屋はちょっと“悪い癖”があって、
料理に要らない手を掛けてしまうのだ。普通に作ってくれればOKな
ところを、何か一工夫したものが余計になって味わいを損ねるのだ。

まあ、生ハムなどは素材をそのまま出してくれればいいのだから心配
あるまいと注文してみた。しばらくしてテーブルに置かれた生ハムだ
が、どうも“一工夫”しているように思われた。

普通に考える酒肴としての生ハムは、薄くスライスした何枚かを小ぎ
れいに並べて生野菜でも添えてあるという程度だが、この店の生ハム
には3通りの処理が施されていた。

まず通常よりは厚めにスライスされたもの、次にそれを軽く炙ったも
の、最後に小さめの角切りとでもいったものである。そんな3通りが
皿に盛られている様子を見て、軽く嘆息をした。また要らぬお世話を
してということを思ったのだ。

それで結果はというと、あれほどに厚くスライスしてはいけないとい
うことが第一。生ハムをわざわざ炙る意味がわからないということ。
それに小さい角切りも無駄……ということに尽きる。

生ハム本来の味を食べてもらうのであれば、薄めスライスが基本的な
ことだと、それは工夫以前の常識みたいなものだと思うのだが、さて
どんなもんでありましょうか。

【去年の今日】嘲話§寄席とテレビ

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