懐話§昭和三十年代~カジュアルな服~

[承前]

昭和三十年代のニュース映像などを見ると、外出する人々が“きちん
とした”服装であることに気がつく。

男性であれば背広を着て、場合によってはネクタイまで締めていると
いうもの。それで出かける場所はといえば、デパートだったり、寄席
に落語を聞きに行ったりという……今だったらカジュアルな服装で出
入りしているような場所にまで、そうした服装で出かけているのだ。

例えば今の時代、休日に特別な用事でもないのに、ネクタイまで締め
て外出する人がどれほどいるだろうかと想像する。

今の時代、服装が本当にカジュアルになってきてしまったことに今さ
らながら驚くのだ。昭和の時代は、まだまだ着る服の選択肢が乏しく
て、例えばニットシャツのようなものも普及は遅れていただろうし、
男性にしてみればワイシャツしかなかったのは当然のことだろう。

だからというわけではないが、その当時のカジュアルなスタイルとい
えば、夏場だったらランニングシャツ一枚で街中を歩くようなもので
あったわけである。さらに“ご町内”の世界であったら、ステテコ姿
のお父さんがウロウロしていてもおかしくなかった時代だったのだ。

さすがにステテコ姿でそれ以上の境界は超えられなかったのである。
                            [続く]

《昭和のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック