遭話§市川染五郎の大事

月曜日の国立劇場で行なわれた舞踊の会の最中、市川染五郎が舞台か
ら3m下がっていたセリに転落して負傷した。

舞台上を踊ったり動き回る人間にとっては、段取りのとおりに舞台が
動くことが大きな条件で、それを信頼して動くから安全が確保される
ということなのである。

今回は段取りが狂ったか、あるいは事前とは違う動きになってしまっ
たのか詳しいことはわからないが、もしセリが一杯一杯まで下がって
いたとすれば5mの奈落の底になり、それこそ負傷程度では済まない
大事故になってしまっただろう。

これまでにもステージから転落して負傷し、中には半身不随で車椅子
生活を送ることになってしまった芸能人もいる。それだけに生半可な
段取りでセリを上げ下げすることは大事故に繋がるということを強く
認識しなくてはならないのだ。

染五郎の容態だが、精密検査の結果が出ていないので、詳しいことは
わからない。背中から落ちたが打ったのは側頭部ということで、意識
もあるので、何とか療養と休養で回復してくれればと思っている。

九月大歌舞伎の秀山祭『菅原伝授手習鑑』の寺子屋で松王丸を演じる
予定だったのが、残念ながら休演になってしまった。

いささか線が細いと思われる染五郎の松王と、叔父吉右衛門が演じる
源蔵という顔合わせを楽しみにしていたのだが、是非とも回復を果た
し、遠くないところで再挑戦していただきたいものである。

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