德話§ドレスデン国立管弦楽団[2]

[承前]

テンポやらダイナミックレンジを頻繁に変える音楽作りは好きではな
く、基本はインテンポにありということを再確認したような前半だっ
たと思う。

もっとドレスデンというオーケストラの素材感をそのまま生かしてや
ればいいのに、料理とは手を入れて――だから手入れマンかw――仕
事をしなくてはならないと考えるのはいいが、素材を生かすどころか
殺してしまうようでは困るんだなあ。オーケストラも、もう少しイヤ
イヤをすればいいのに……ということで後半の1番が始まった。

ようやく、冒頭から締まった音楽が鳴ってくれる。コントロールが戻
ったように感じる。音楽のつくりも丁寧で、楽器の受け渡し重なり具
合も手に取るようにわかる。ドレスデン自慢の絹の手触りのごとくな
弦の音色も甦ってきた。特に2楽章の美しさは絶品である。ヴァイオ
リンのソロと、それに寄り添う木管楽器との美しいまじり具合。ドレ
スデンが長い時間をかけて培った一体感に、しばし陶然とするのだ。

終楽章、前奏に続く主題が無表情かつ淡々と演奏されたことに驚かさ
れる。いかなる考えかと思っていたら、2度目に提示された時には、
たっぷりと、そしてくっきりとした輪郭で演奏された。こうした対比
づけや、一つフレーズの中の細かいニュアンスの変化は、耳で追いき
れるものではないくらいである。

でもなあ……やっぱりティーレマンは手の入れ過ぎだと思うのだな。
                            [続く]

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