德話§ドレスデン国立管弦楽団[5]

[承前]

さて、ブルックナーの第7交響曲である。今までも広言しているとお
りでブルックナーは苦手。CDも4番、7番、8番しか持っていない
し、実演も4番1回、8番1回、9番1回。それで、なぜか7番は、
ウィーン・フィルのゲネプロを含めて4回という断トツの回数だった
りする。

その程度しか聴いていないから、感想のようなものが書けるわけでも
ないので、印象だけを簡単に書いておく。白状するならば、ブルック
ナーとマーラーという2人の作品の演奏の良し悪しやら違いががわか
らないということだった。

今回のティーレマンは、圧倒的な音量を云々するというよりは、むし
ろ弱音のコントロールに心を砕いていたように感じた。そうすること
で、フォルテやフォルティシモがより際立つということなのである。

そんなティーレマンの指示をシュターツカペレ・ドレスデンのメンバ
ーが再現しようとしていく様……音楽が生き生きと動いていく様子が
手に取るように眼の前に展開していった。

繊細にして強靭な弦楽器群は、金管の分厚い岩壁を物ともせずに上空
へと駆け上がっていく。そんな音の混じりぐあいには陶然となること
しばしだったが、さて全体像が見通せたかとなると、ブルックナーに
対する経験不足は歴然としていて、それ以上の感慨を持つまでには到
らなかったのである。

最後に、今回聴いた2公演で確認できたことは、NHKホールでの感
想はナンセンスである。それからティーレマンはブラームスはあまり
よろしくなく、例えばシューマンあたりのほうがおもしろい音楽を聴
かせてくれるのではということではないか。

ブラームスのように構造がしっかりしている音楽に対して急発進やら
急ブレーキは似合わないんだろうなと思うと同時に、自分自身の嗜好
が“インテンポ”に振れているのだということにも思い至ったのだ。

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