小話§ジョブズの見立て違い

アップルのスティーヴ・ジョブズ死して一年一か月余りで発売された
製品。ジョブズが“売れっこない!”と喝破したiPad miniである。

詳しい情報はわからないが、少なくとも日本においては売れ行き好調
のように思われる。あれほどに日本に興味を持って頻繁に来日してい
たにもかかわらず、アメリカ人であるジョブズは日本人の嗜好を見抜
くことができなかったようだ。

ジョブズはアップルが7インチサイズ・ディスプレイのiPadなりiPod
に手を出すことを拒否していたと言ってもいいだろう。彼によれば、
7インチは“中途半端で使えない”と断言していたのである。

ジョブズと正反対のことを考えていた人間がここにいる。理由はごく
ごく単純で、iPadでは通勤の電車内でどうこうするには大きすぎると
発売当時から思っていたのだ。週刊誌ほどの大きさであっても、まず
もって重い機械だと感じていた。通勤の車内だったら単行本から文庫
のサイズが都合よかろうとは日本人の側からの発想ではないか。

ネットなどで見る評判、それと持っているminiを人に見せた時の反応
には否定的なものが少ない。という以上に、ほとんどの人が“買って
もいい”とか“欲しい”という反応だったのである。

携帯電話やスマートホンの画面サイズになじんでいると思いきや、や
はりそれなりの文字の大きさ、画像の大きさがあればと思っている人
は多いのだ。

日本のようなニーズを読めなかったからといってジョブズを責めよう
などとは思わない。いかな天才であっても、森羅万象に通じているわ
けではなく、多くは自分自身の経験などから導かれるのだということ
を我々は知っているだけのことである。

【去年の今日】和話§カタログ・・・型録

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック