財話§給料の銀行振り込み

大学を卒業して無事に就職した当時は、給料は現金の手渡し支給だっ
た。給料日になると、印鑑持参で現金の入った給料袋を受け取りにい
っていたのだ。

昔気質――大正生まれの人も現役で仕事を――の人も多かったのかど
うか、個人的には銀行振り込みにしてくれたほうが楽だと考えていた
のに、なかなか振り込みにならなかったことを覚えている。少なから
ぬ人が現金手渡し願望を持っていたようである。

給料をもらっても、光熱費や家賃などは口座引き落としされるので、
結局は銀行に出向いて自分の口座に入金をしていたのだ。思えば何と
も歯がゆい手間をかけていたのだった。

給料が銀行振り込みになったのは80年代に入ってからのことだと思う
が、そうなってからもぶつぶつ文句を言い続ける人がいたことを記憶
している。

詳しい事情は想像するしかなかったが、要するに奥方にあれやこれや
を捕捉されるのがいやだったということのようだ。このあたりについ
ては、我が社のOBなのかどうかわからないが、豪傑がいらっしゃっ
たようである。話は以下のとおり。

……定年を何年か残して一人の社員が亡くなってしまった。お宅を総
務課の人間が訪問して、あれこれ説明などをした最後に「えーと、こ
の夏のボーナスは支給されますので」と口にしたところ、残された奥
方曰く「えっ、うちの人が“我が社はボーナスなんてものはないのだ
よ”と言っていたんですが……」

【去年の今日】貴話§イギリス王位継承順位・・・

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