極話§バッハ・コンプリートが片手で

大学時代にアルバイトした金をはたいてアルヒーフが発売したバッハ
大全集LP百枚組を購入した。大全集と銘打たれてはいたが全作品が
収録されていたわけではない。値段はちょうど20万円だった。

↓汗と涙の結晶がこの百枚
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週明けに発売される“コンプリート・バッハ・エディション”なるも
のは、現在確認されているすべてのバッハの作品が収録されている。
すべては一本のUSBメモリーの中にあって2万6千円ほどという、信
じられない値段を見ながら、当時の自分に会えたら「こんなんだぜ」
と教えて嘆息させてみたいものだ。

↓何という実感のなさ
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本体のUSBメモリーだけだったら、軽くポケットに入ってしまって
持ち運びもいとやすし。LP百枚組などを持ち運びしようなどとは考
えもしなかったことを考えると恐るべきことである。

しかもUSBメモリーから、パソコンを初めとする再生可能な装置に
落とし込んで保存しておけばメモリーに用はなく、別データに書き換
えて保存できるという基本的な使いかたもできるのだ。

コレクションという作業は人間の欲望のひとつだと思うが、古くは蠟
管、SPに始まり、LPからCD、その他の媒体を、一個人が連綿と
集めては再生していたのが、今や“物として自宅に保管する”必然性
が希薄になってしまった。

もちろん自宅のハードディスクなどに保存してもいいが、販売元のデ
ータベースにアクセスして聴けば済んでしまうという時代が来てしま
っているのも事実なのである。音楽産業はどこに行くのだろう……。

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