季話§梅子黄~七十二候~芒種

芒種の末候“梅子黄(うめのみきばむ)”である。

Plum Rain

……梅雨を英訳すると直訳的で身も蓋もない表現には笑ってしまう。
外国人に梅雨を説明するのに一度だけ使ったことはあったが、どうも
正しく理解はしてもらえなかったような気がした。

三軒長屋だった我が生家の一番奥には井戸があり、すぐに木塀に隔て
られて大家の住まいが建っていた。塀越しにアンズの木が井戸にかか
るように生えていて、この時季に必ずオレンジ色の実をつけたのだ。

鷹揚な大家だったということか、色づいたアンズの実は誰が取っても
かまわないというわけで毎年大きなザルに山盛りでいただいていた。

それでアンズはどうなったかというと記憶にない。煮込んでジャムに
したわけでもないし皮をむいて食べていたわけでもなく。はてさて、
母さん、あのアンズどうしたでせうね……。

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