連話§ワタシの酒肴[70]小海老アヒージョ

[承前]

にんにくと鷹の爪が入ったたっぷりのオイルで小海老を揚げ煮した、
スペイン名物“アヒージョ”を初めて食べたのはいつのことだっただ
ろう、せいぜい10年とか15年とか……たぶんそれくらいという記憶。

うまい食べ物は健康に悪いを地で行くような、見事な居直りっぷりを
小海老のアヒージョに感じることができる。熱々でオイルがヌラヌラ
の小海老を口に放り込むと、それはもう酒を呑むんだぜ!という露払
いのようなものである。

第一候補は生ビールだが、冷え冷えで辛口の白ワインでもいけるのは
言うまでもないことだ。個人的には、アヒージョの小鍋にバゲットの
数切れもあれば夕食としても十分に満足できる。まあ、野菜サラダく
らいは押さえておいた方が健康面への言い訳にはなるんじゃないの。

それにつけてもと思うのは、小海老を食べきった後に残った大量のオ
リーブオイルである。スパイシーで海老の出汁も沁み込んだオイルを
バゲットに浸して食べるのもまた満足感を与えてくれるが、さすがに
たぷたぷに浸しはせず、ほどほどで締めるのもまた大人のたしなみ。
                            [続く]

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