懐話§昭和三十年代~ガリ版印刷~

[承前]

謄写版印刷という正式名称よりは“ガリ版印刷”というほうが通りは
いいような気はする。そんなガリ版を目にしたことがあったり、実際
にガリ版に文字を刻み込んでというのは、どのあたりの世代までのこ
とになるのだろう。

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謄写版で刷り物を作っているのを初めて見たのは保育園に通っていた
時だっただろうか。事務室――誰彼なく出入りできた――で、職員が
印刷をしていたのだった。

子供の目に、それは何をしているものかを理解することはできなかっ
たと記憶しているが、何やら黒いローラーを前後に動かしてプレート
を上げると文字が印刷されていた……そんな程度である。

初めて自分でロウ引きされた原紙に文字を切ったのは、中学で学級新
聞の当番が回ってきた時のことだったかと記憶している。鉄筆を使っ
て原紙に文字を刻み込む作業は難しい。強過ぎると紙に穴を開けてし
まうし、弱ければ文字として印刷されずと加減するのが大変だった。

最後にガリ切りをしたのはいつだろうと記憶をたどったら、大学1年
の時だったと思い出した。1970年代前半、謄写版はまだまだ自分で簡
単に印刷物を作れるという存在だったが、徐々にコピー機も普及しつ
つあり、講義のノートをコピーさせてもらうことも行われるようにな
りつつという混在期だったのである。

もちろん、まだまだコピー代はやすくはなかったが、70年代が終わる
頃にはガリ版の印刷物を見かけることは徐々に少なくなっていた。

追記:小学校5年の時だったか、漫画週刊誌の懸賞に応募したところ
1等だったか2等だったか忘れたが、ミニ謄写版セットが当たったこ
とがある。記憶がおぼろげだが、印刷サイズは往復はがきくらいのも
のだったと思う。

                            [続く]

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