懐話§昭和三十年代~尋ね人の時間~

[承前]

番組名は『尋ね人』だったが、誰彼なく『尋ね人の時間』と言ってい
て、そのほうが似つかわしくすら思えるようなそんな番組があった。

番組は終戦の翌年から1962年(昭和37年)まで、16年の長きにわたって
続いたのだ。物心つく頃、ラジオから流れてくるアナウンサーが……

旧満州国竜江省チチハル市の○○通りで鍛冶屋をされ
「△△おじさん」と呼ばれていた方。上の名前(苗字)
は判りません・・・


……淡々と尋ね人の文言を朗読する口跡を、おぼろげに記憶している
最後の世代に属しているような気がしている。戦争が終わって10年足
らずで生まれた我が身もまた実際の戦争は知らないけれども、周囲に
戦争を経験した人間が山ほどいて、その様子を口々に語っているのを
聞いていたのだ。

それゆえに小学校低学年という身であっても、口伝えながら戦争の記
憶がインプットされているような気がしている。そんな中に『尋ね人
の時間』も、聞きなれない中国や旧ソ連の地名とともにあるというこ
となのである。

8月15日まであと3日。昭和20年から数えて68年が経ってしまった。
                            [続く]

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