楽話§さくら橋~新橋演舞場~藤山直美

[承前]

歌舞伎座終演後は地下道を伝って一番近いデパートへと避難。お茶を
したりで2時間ほどを過ごして16時開演の新橋演舞場『さくら橋』に
向かった。

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新橋で藤山直美が出演する芝居を観始めて、もう10年近くになってし
まったようだ。他愛ないといえば他愛のない松竹新喜劇や、勘三郎に
柄本と共演した『浅草パラダイス』などなど、小気味のいい藤山直美
の演技に、毎回笑わせてもらっているのだ。

1943年から2013年、70年間の隅田川畔はさくら橋を舞台にしたお話。
老舗呉服屋の放蕩息子に翻弄される藤山直美が騙され続けながらも、
諦めきれないまま……。

藤山直美以下、市川月乃助、加賀まり子、安達祐実といった面々が繰
り広げる肩の凝らない舞台を楽しんだ。東京オリンピックが終わった
頃、加賀まり子扮する金融業の女主人が、藤山直美の河村花に残した
業平橋の邸宅がスカイツリーに化けたというあたりは笑わせられた。

というわけで終演は19時半。表に出たら折しも東京湾大華火の真っ最
中だったが、大音量はすれども肝腎の花火が見えない。少しだけ築地
方向に歩いてみたが、ビルに邪魔されてしまい、もったいないことを
したが、夜になってもずいぶんな暑さに、さっさと地下鉄に逃げ込ん
で帰宅したのだ。
                            [続く]

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