別話§或る居酒屋閉店の挨拶状が

一日遅れの仕事始めで出社。デスク周りを片付けたところで年賀状を
チェックしていたら、30年以上通っている割烹居酒屋の年賀状文面が
“7月で閉店することになりました”とあって驚いた。

去年の暮れに一度行ってみようと思って電話を入れたら「店主が病気
でお休みしています」という返事に、それじゃあ年明けにでもと伝え
て電話を切ったが、年が明けたところでの閉店の挨拶だったのだ。

カウンター数席にテーブル一つ、それに8人ほどが入れる部屋が一つ
という路地裏にぽつんと建つ小ぢんまりとした店で、普段は店主とも
う一人で店をやっている。開店したのは1978年のことで、同じ年に仕
事を始めた身としては何がなしな感慨は小さくなかったりする。

初めて店に行ったのは、確か開店して一年後。まだまだ“ペイペイ”
の身だったので、上司に連れられての酒席だったが、何か特別にとい
うこともなく、淡々と気取らない店の様子は印象的だったし、その後
一人でふらりと入ってみたり、こちらもまた淡々とお世話になってい
たのだ。

出てくるものは、刺身に焼き魚、煮物に揚げ物と、これまたオーソド
ックスそのもの。酒もビール中瓶に、開店以来変わらぬ銘柄の日本酒
一種類と、あとはウィスキーに焼酎という潔さである。

勝手な思い込みなのだが、来年秋の定年退職前に訪れて、これまでの
お礼かたがたと目論んでいたのだが、一足早い“定年”をされてしま
った。

このところ、年に二度ほど暖簾をくぐるくらいだが、店じまいとなれ
ば話は別。最後まで機会を見つけて通うつもりである。

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