懐話§昭和三十年代~叱る人々~

[承前]

その昔の町内には、おっかないおじさんが2、3人は存在していた。
我々のような世代が子供の頃、何やら悪さをしようものなら、誰かし
らが目ざとく見つけては小言が飛んでくるのである。小言ばかりでは
なく、時にはゲンコツとか尻をひっぱたかれたり……体罰の是非はと
もかくも“おまえがやっているのはよくないことだ!”と躾けてくれ
ていたのだ。

時代が昭和から平成に移る頃には、そんなカミナリおやじはすっかり
消滅していて、子供の躾けは親の責任ということになってしまった。

ところが親の責任を放棄しているとしか思えない種族がはびこって、
悪さをする子供を他人が叱ろうものなら“ほら、おじさん(おばさん)
が叱るからやめなさい”と、妙な表現を使って逆撫でするのである。

まずは親が率先して叱らなくてはいけないのに、何たる言い草である
か、まずは感謝の言葉ではないかと……結局は子供と合わせて、親の
躾けをする羽目にもなって、徒労感ばかりが大きくなるわけなのだ。
                            [続く]

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