愉話§呑藝春秋[14]バーに行ってきた

[承前]

昨日書いた続きをまとめておく。

神保町から新宿線を経由して京王新線に入る。とはいっても、バーに
直接向かうには空きっ腹に過ぎるので、ラーメンでも食べようと一駅
手前で店を出している初顔のラーメン屋に行くことにした。

信長や秀吉や家康に愛でられた鳥を店名にしたラーメン屋は、ネット
その他での評価が高いと評判の店ということで、バーからも10分ほど
だしと、開店の直前に到着。店に入り券売機で選んだのは一番無難な
“そば”という1杯。

豚の清汁とハマグリ出汁などなどというスープが売りのようだが、残
念ながらお気に召すことはなかった。全粒粉の麵とスープの相性もい
いとはいえず、こういうラーメンもあるのか……という思いの以外、
うまかったとは感じられなかった。まあ、人の評価と自分の好みが違
うという見本のような経験であった。まずもって、禁欲的なラーメン
(と、その店)の類が食べたかったわけではないのだ。

……という消化不良の思いはバーに着くまでの10分の寒さの中で吹き
飛ばし、ドアを開ける頃にはラーメンのことはきれいさっぱりと忘れ
ていた。

カウンターに腰を落ち着けて、まずは胃薬代わりのカンパリ&ライム
を1杯。眼の前でライムをたっぷりと搾ってカンパリに注ぎ、ロック
アイスでかっちり冷やしたのがやってくる。外の寒さに関係なく、爽
やかに冷たい1杯のおかげで胃がしゃっきりする。

胃の気分を軽くしてやったところでアイラ島のシングルモルトを見繕
ってもらう。店主が出してきたのは“ラガヴーリン”の16年物で、こ
れをダブルでもらった。過去に2度ほど呑んだ“ラフロイグ”よりは
洗練された雰囲気で品のいい味わい。

ここに到って、じっくり腰を据えてショットグラスの中にある琥珀の
液体と対峙する。43%のストレートはさすがに手ごわくて、グラスが
空になるまで40分ほどを費やした。そして、ここまでは予定通り。

さすがに満足の体で、同じ杯を重ねるほど壮健ではない。それゆえに
収束の1杯は外に出ても大丈夫なようにと、ホットウィスキーを作っ
てもらった。バーから家までは40分ほどである。
                            [続く]

《酒のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック