悼話§ジェラール・モルティエを偲んで

ザルツブルク音楽祭やパリ・オペラ座の総裁を歴任したベルギー生ま
れの才人ジェラール・モルティエが3月6日に膵臓がんで死去した。
享年七十

直接に彼が為した仕事を見る機会はなかったが、常にヨーロッパのオ
ペラ・シーンを過激に刺激し続けていたことだけはわかっている。

そんな彼が去年の9月まで総裁を務めていたスペインはマドリードの
テアトロ・レアルが『ジェラール・モルティエを偲んで』と題しての
彼の手になった作品とインタビューを映像にしてくれていた。



こうした映像を眺めていても、彼がやろうとしていたことを理解でき
るだなどと考えたことなどもなく、その才能の存りようには、一介の
東洋人の想像の及ぶところではないと、あっさり白旗を揚げるのだ。

そんな映像の意味するところは、おそらく今のヨーロッパの文化のエ
ッセンスの、ほんの一滴なのだろうなと乏しい脳味噌で想像してみる
のである。わかった!などと、したり顔でうそぶくほどの訳知りでも
あるはずがない。

年に一度、2週間足らずの旅行で見る光景は、それがヨーロッパであ
るなどと結論付けられるはずもない。いつもいつも、出かけて、滞在
して、帰ってきて、その時に見聞した範囲での、ごくごく狭いヨーロ
ッパのほんの一角を通過したに過ぎないのである。

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