鍵話§アンスネスのベートーヴェン

一昨日、オペラシティ・コンサートホールでレイフ・オヴェ・アンス
ネスのベートーヴェンを聴いてきた。体調不良で来日がぎりぎりに。
結果、兵庫は中止。武蔵野と東京で2回のリサイタルとなったのだ。

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プログラムは以下のとおり。

ピアノ・ソナタ第11番 B-Dur Op.22
ピアノ・ソナタ第28番 A-Dur Op.101

********************休憩********************

創作主題による6つの変奏曲 F-Dur Op.34
ピアノ・ソナタ 第23番 f-moll『熱情』 Op.57

[アンコール]
ベートーヴェン:7つのバガテルより第1番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番より第2楽章
シューベルト:楽興の時第6番

聴いた位置は3階3列目中央。前々回、ドビュッシーなどを聴いた時
はサイドだったためは、音がややくぐもって聴こえたのだが、今回は
真正面でピアノの蓋もこちらに向かって開かれていたことで、明晰な
音響を楽しむことができた。

お目当の28番に先立つ11番のソナタは、どこかモーツァルトを思わせ
るような楽想を、アンスネスはけれん味の欠片も見せず、一点の曇り
や濁りもない明るい響きを聴かせたのである。

そして28番。クリアな音色であっても決して冷たくはならないアンス
ネスの音楽性に、28番の1楽章はとても似合っていると感じるのだ。
ぬくもりを含んだメロディーが美しく歌われ、続く行進曲の高揚感、
第1楽章冒頭の主題が回想されつつ決然と弾かれる終楽章のフーガ。

ちょいと持ってまわった印象のブレンデルの演奏とは一線を画した、
ブリリアントで直線的なベートーヴェン像を描いて見せたのだった。

初めて聴く変奏曲の後の熱情ソナタが文字通りに熱い演奏。とりわけ
ひたすら走り続ける終楽章の持続するエネルギーの表出はすばらしい
ものがあり、客席もおおいに沸いたのである。

アンコールは武蔵野が2曲だったのに、加えてシューベルトの楽興の
時が弾かれた。これがまた絶品で、アンスネスのシューベルトが聴き
たくなったではありませんか。

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