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zoom RSS 人話§歌舞伎役者伝〜中村梅玉〜[16]

<<   作成日時 : 2014/05/14 00:00   >>

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[承前]

弟の魁春とともに、六代目中村歌右衛門の養子として歌舞伎役者の道
を歩んできた。もう十分にベテランの域に達している梅玉である。

歌舞伎を観始めた2000年代初期に観た時は、どんな役でもソツなくこ
なすが、ソツがなさすぎてコクがない……という印象が強かった。本
人には申し訳ないが“9時から5時まで”のサラリーマンといったイ
メージを抱いてしまった。

ところが、何というかそこが歌舞伎のおもしろいところで、この数年
ほどは、ソツのないところはそれほど変わってはいないのだけれど、
齢七十に近づくにつれて味わいが出てきたのである。梅玉を見て、歌
舞伎役者の化学変化のようなものを強く感じたのだ。

化学変化は、三十代で起きる役者もいれば四十代、あるいは五十代に
化学変化を起こす役者もいる。梅玉の場合はそれが“遅咲き”だった
ということである。

ある評論家が、梅玉をして江戸和事の一人者と評していたが、ここに
きて、例えば『髪結新三』の手代忠七のような役で真価を発揮してい
るように思うのだ。あるいは『鈴ケ森』の白井権八、さらに『寿曽我
対面』の曽我十郎といったあたりは、彼の持ち役といえるだろう。

歌舞伎を長く観続けるとは、まさにこのような役者の熟成を目の当た
りにできることで“一度観たからはいおしまい”では本当にもったい
ない生鮮物なのである。
                            [続く]

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