遣話§五月文楽第一部~落穂拾い~

住大夫引退ばかり書いて、5月11日に観た残る2演目のことを省略す
るのはもったいないので、簡単に書いておく。

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第一部最初の演目は『増補忠臣蔵』という仮名手本忠臣蔵外伝ものか
ら『本蔵下屋敷の段』が上演され、3本目は『卅三間堂棟由来』から
『平太郎住家より木遣り音頭の段』が上演された。

主君である桃井若狭之助のために、高師直に賄賂を贈ったことで蟄居
を余儀なくされている加古川本蔵が若狭之助から許されて、書状を手
に山科閑居している大星由良之助の元に向かうまでという段である。

なるほど、そういう事情で由良之助宅まで行くことになったのか……
仮名手本を補う意味でも、なかなかよくできた芝居であると思った。

調べてみると、歌舞伎のほうでは1999年以来、舞台上演が行われてい
ない。歌舞伎座にいたっては、1953年に初代吉右衛門が若狭介を演じ
てというのが最後とは、ちょっともったいない話ではないだろうか。

というわけで『増補忠臣蔵』は歌舞伎の舞台でも観てみたいものだ。
最後の『卅三間堂棟由来』は、妻が柳の木の精で、その柳の木が切ら
れることにまつわる、ちょっと不思議な話。全体の筋を摑みきれない
まま最後まで。切『木遣り音頭の段』を務めたのは癖のある嶋大夫。
ストーリーと彼の義太夫は微妙にかみ合っていないような気がした。

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