緑話§BCJのブランデンブルク協奏曲

調布グリーンホールで行われていた調布音楽祭最終日は、音楽祭の目
玉公演でもあるBCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)による、バッ
ハのブランデンブルク協奏曲全曲演奏会である。

演奏順は、6番から1番へと遡るもので、どういう意図なのか知りた
いところだが、プログラムに書かれていただろうか。

で、1曲目を聴いてちょっと愕然とした……あまりにもおざなりな、
という以上に練習不足ではないかと感じるくらいに音楽が生きていな
いのだ。第1ヴィオラを受け持ったのはヴァイオリニストの寺神戸亮
だが、まとめるだけに留まってしまったという印象。第2ヴィオラは
山形交響楽団所属の成田寛で、あるいは彼がトップを受け持ったほう
がよかったのではというのは結果論でしかない。

つい半年前、フライブルガー・バロックアンサンブルの愉悦満点なブ
ランデンブルクを聴いた耳には、何の感興も湧くことがなかった。

前半続いて演奏された5番、4番も“いくぶんか”改善してはきたも
のの、依然として個人的印象としての低空飛行は続く。

休憩後の後半、3番の前に鈴木雅明の前説があった。3番~3本ずつ
のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと三尽くしなのに、楽章の構成は
3ではない。1楽章と3楽章の間にあるのは音符が2つ……バッハが
即興演奏をしていたわけだが、今日は“趣向”としてバッハの3つの
ヴァイオリンのための協奏曲の中間楽章を演奏する。

この趣向がどうだったか、それを判断することはできない。で、演奏
は少しずつ生彩を取り戻していった。2番、1番も同様……だが、そ
こに弾むような音楽の喜びを感じ取るまでには至らなかった。

1300の客席を持つ調布グリーンホールの大きな空間に、古楽器の編成
は鳴り響ききれなかったということもあろうが、貧しき我が耳が満足
できなかったという残念な事実は残るのである。

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