愉話§呑藝春秋[18]そして生おビール

[承前]

季節を問わず、酒を呑ませる店に入ると、まずは生ビールである。な
ければ第2選択肢として瓶ビールを注文するが、生ビールがあって、
瓶ビールを注文したことなど一度もないと胸を張って言えるだろう。

生ビールの魅力はと問われれば、何といってもジョッキを傾ける快感
に尽きるのではないだろうか。ジョッキでなくとも、大ぶりのタンブ
ラーグラスに入ったビールをグビグビ呑むのは、それこそ喉が鳴りま
くるのである。

かほどさように生おビールがなければ、呑み屋でのスタートを切るこ
とができないのだ。これは、どちらかといえばワイン圏に属すると思
われるオーストリア・アルプス山中で食事をする時でも樽生があれば
思わず注文してしまう。

泡酒が好きなのだからゼクトでも食前酒として呑んでおけばいいもの
を、どうしてもビール好きの血が騒いで半リットルを流し込み、それ
からワインに進むという……どうも邪道であるとしか思えないのだが
こればかりは“自分の流儀”が固まってしまって、どうにもこうにも
直せないのだ。

ビールや日本酒は何とか楽しんで呑むレベルまで達したと思っている
が、ワインはどうにもこうにも自分の好みとか合わせて楽しむといっ
た域に達することはなさそうである。
                            [続く]

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