濡話§ちびた石鹸の合体から輪廻転生へ

使い込んで小さくなった石鹸を、うまいこと新しい石鹸に合体させる
ためには、意外と時間がかかるのだ。

平らに使ってくれば簡単にくっつけられるのだが、丸みを帯びていた
りすると、これはもう新しい石鹸との接点がちいさくてなかなか合体
させられない。朝に晩にと、何度も試みては失敗の繰り返しで、その
うちにシンクから流れ落ちて、もったいないなあということになる。

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今回は一発で成功した珍しいケース。古い石鹸の一方は真っ平らで、
何の苦労もなく新しい石鹸と合体に成功した。その翌日には、ここま
で一体化した。

いつぞや、物理学の泰斗たる先生と話をしていた中で「ちびた石鹸の
泡立ちが悪いのは、石鹸成分が抜けたからで、あれは“うどん粉”な
んです」と真顔で言うのを聞いたことがあって、危うくそれを信じそ
うになりかかったのだ。多分に冗談だったとは思っているが、科学者
の発言とも思えず“先生それはないでしょう”とやりこめた記憶が。

かくして合体に成功した2つの石鹸である。新しい石鹸は、ちびた石
鹸のDNAを受け継いで、新しい石鹸としてのアイデンティティを確
固たるものにする。こうして過去に消え去ったはずの石鹸は、新しい
石鹸の中にしぶとく生き続ける……というファンタジーなどあるわけ
ないのだけれど。

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