愉話§呑藝春秋[20]シャンパンは泡の酒

[承前]

ひょんなことでシャンパンの到来物があった。長く縁がなく久々のこ
とである。いただいたのは“TSARINE”という初めての銘柄なのだ。

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ツァリーヌが意味するところは“女帝”で、ロシア語で皇帝にあたる
“ツァーリ”の女性形である。さて、750ml瓶をいただいたものの
同居人は下戸につき、我が家の飲酒者は一人だけ。泡の酒は気が抜け
てしまったら意味を成さないので、何とか一日で呑み切らなくてはと
深く熟慮した(ウソ)。

というわけで満を持して先週日曜日の早い夕餉にコルクを抜いた……
もう後戻りはできない。トクトクトクとグラスに注ぐ。と、細かい泡
が立ち上って“早く呑め!”と挑発してくるではないか。あまりにも
久々なので、シャンパンって何?などと悠長なことを考えながら、少
しばかり金色を帯びた液体を口に運ぶ。

口に運ばれた液体は、重力の法則で喉をゆっくりと滑り落ちていく。
かくして最初の懸念はどこへやら……生ハムや旅行土産の山チーズ
つまみながら、2時間後には一滴残らず胃の腑へとおさまっていた。

そして、ううむ……うまい酒は後に残らぬということを証明したのが
翌朝の目覚めだったのである。
                            [続く]

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