舞話§シルヴィ・ギエム引退

シルヴィ・ギエムの舞台を初めて観たのは1985年のこと。その前年の
1984年、19歳10か月でパリ・オペラ座のエトワールに昇格していた。

↓初来日した時のプログラム。ヌレエフと共演した『白鳥の湖』
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バレエを観始めて3年かそれくらいだったから、まだまだバレエの見
方もわかっていない時期ではあったが、ギエムを見た衝撃は、相当な
ものがあったと思い返している。

美しい容姿に、並外れた柔軟性は、まさに“アンファン・テリブル-
恐るべき子供-”と呼ぶのを躊躇しない、すべてが整いきった一個の
美術品そのものだった。

オペラ座で様々な軋轢があったようで、3年ほどで退団。それからは
イギリスのロイヤル・バレエのゲスト・プリンシパルという、ある意
味で自由のきく立場で活動を続けたのだ。

レパートリーは言うまでもなく、クラシックからモダンまで幅広く、
ベジャールの『ボレロ』に関しては、他に数人が踊るのを見たが、彼
女以上の表現者が存在したかどうか、それだけ抜きん出たレベルに達
していたと思われる。

トップレベルのダンサーとしてのキャリアを30年以上継続しただけで
も驚異的であるが、そんな彼女が引退を宣言し、来年に行われる最後
のステージを日本で行うというのもまた、日本との浅からぬ繋がりが
あるゆえのことなのだ。

そんなギエムを観客席から30年の間観続けられたのもまた幸せなこと
だと感謝したい。

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