英話§ファルスタッフ~サイトウ・キネン~

松本を往復した件は別エントリーを読んでもらうとして、こちらがオ
ペラ本編である。サイトウ・キネンは1997年以来二度目。

まつもと市民芸術館・主ホールは初めてである。鰻の寝床のようなロ
ビーの先にチケットをもぎる受付があり、その先にようやくホワイエ
が現れる。上階のホワイエはすりガラスで外と隔てられているが、ど
うせ外の景色を見ることができないのなら、普通に壁にしておけばと
思った。デザインが優先過ぎて意外とストレスを覚えるものである。

画像

指揮:ファビオ・ルイージ
サイトウ・キネン・オーケストラ

サー・ジョン・ファルスタッフ:クイン・ケルシー
フォード:マッシモ・カヴァレッティ
フェントン:パオロ・ファナーレ
アリーチェ・フォード:マイテ・アルベローラ
ナンネッタ:モーリーン・マッケイ
クイックリー夫人:ジェーン・ヘンシェル
メグ・ページ:ジェイミー・バートン
バルドルフォ:キース・ジェイムソン
ピストーラ:デイヴィッド・ソアー
ドクター・カイウス:ラウール・ヒメネズ
合唱:SKF松本合唱団

演出:デイヴィッド・ニース
装置:衣裳:ロバート・ペルジオーラ
照明:リック・フィッシャー

まずもってルイージが率いるサイトウ・キネン・オーケストラの歯切
れいい演奏に耳を奪われる。これで4度目となる『ファルスタッフ』
だが、いくつかアリアもあるが、強力に劇を進行させるような感じが
ない。音楽も取りとめのない楽想の連続で捉えどころがない。

ストーリーがわかっていても、はてさて音楽との絡み具合を把握する
ことができないままだが、今回の推進力抜群のオーケストラのおかげ
で、また少しだけ理解しかかってきたような……気がする。

演出は、奇を衒ったものではなく、日本語訳スーパーを活用すれば、
初めての人でもそれなりに楽しめるようにはなっていたと思う。だが
“ウィンザーの陽気な女房達”である、クイックリー、アリーチェ、
メグ・ペイジの3人が似たような体型で、上階からは誰が誰だか状態
になってしまったのは何ともはや。

クイン・ケルシーのタイトルロールは“老練な”ではなかったが、若
めな勢いもまたよしというとことか。

終演予定は18時45分だったが、時計を見たら18時半をちょっと回った
くらいで、ルイージの棒がけれん味なく快速だったことを示していた
ようである。

最後に、これだけの音楽水準の上演が松本だけで終わるのは、何とも
もったいないことで、東京あたりでも同じスタッフで公演を行えない
ものかと思ったのだ。

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