踊話§時間割~公園通りの喫茶店~

北関東の田舎町の高校を卒業して東京に出てきたのが1973年のこと。
その年の夏、渋谷公園通り坂の中ほどにパルコPART1がオープン
した。ほぼ同時期にNHKホールも柿落としを行っている。

代々木の3畳間借りの人間にとって、公園通りへは明治神宮の杜の中
をくぐれば、ば簡単に行くことができた。20分も歩けば代々木のオリ
ンピックプールにたどり着けたはずだ。

そんな場所に住んでいたおかげで、金こそなかったが、新宿や渋谷に
親しむことができたと考えている。

そんな渋谷公園通り、渋谷区役所の向かいあたりに“時間割”という
名前の喫茶店があった。下のイラストのようにおしゃれな外観で、渋
谷公会堂で月に2回行われていた『題名のない音楽会』の公開録画を
見に行くごとに、入ってみたいなあと思っていたのだ。

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ただ、何となく敷居が高く感じられて入ることをずうっと逡巡してい
た。ある日、意を決して扉を開けて入ってみた。シンプルな内装に、
シンプルなテーブルと椅子。で、注文したのは、なぜかカフェ・オ・レ
だったのは不思議なこと。いつもはブレンドしか飲んでいなくて、カ
フェ・オ・レを飲んだのは、この時が初めてではなかったのだろうか。

ごく普通のカフェ・オ・レだったとは思うが、コーヒーの苦味と牛乳の
バランスが自分には合わないと感じた。それ以来、喫茶店で注文して
はいない。

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かくして“時間割”に入ったのは、その時の一度だけで、店も10年く
らい前にはなくなってしまった。上の写真は水の入ったコップの下に
敷かれた紙コースターで、その当時読んでいた本を、つい最近になっ
て開いたら挟んであることに気がついた。栞代わりに使っていたので
ある。

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