懐話§昭和三十年代~ゴミ箱~

[承前]

生まれ故郷には、昭和三十年代の終わり頃まで、それぞれの家の玄関
横などに下写真のようなゴミ箱が置かれてた。

画像

そんな中に、紙屑やら生ゴミだかを放り込んでおくのである。それを
市の収集人が週に1度くらいに巡回してきては収集していったのだ。

考えてみれば、当時のゴミの量など今とは比べ物にならないほど少な
く、それが数人家族の家であっても、ゴミ箱が一杯になることなどは
およそなくて済んでいたはずである。要するに今ほど“物”が家の中
になかった時代だったのである。

ゴミの量が少なかったこともあって、庭のある家の中には、紙屑程度
だったら、焼却して処理していたというのも珍しくはなかったのだ。

ゴミの絶対量が増えてきたのはいつ頃のことだっただろうかと、記憶
の網を手繰り寄せてみるのだが、どうも引っかかってきてくれない。

はっきりとした記憶があるのは昭和三十年代が終わった直後、1965年
から市役所によるるゴミの収集が週に2回になって、ゴミ箱が廃止さ
れた代わりに、各家庭が数十リットルほどの青いポリバケツを常備、
それを指定日時に表通りへ持っていって中のゴミを持っていってもら
うというシステムになったのだ。

ということはおそらく、いちいち各戸を回って集める手間以上にゴミ
の量が増えつつあったということではないだろうか……高度経済成長
の真っ只中を小さく象徴する光景といえるだろう。
                            [続く]

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