悼話§A.プリンツさん(ウィーン・フィル)

アルフレート・プリンツは、1995年に定年退団するまで、40年という
長きに亘ってウィーン・フィルのクラリネット奏者として活躍した。

初めて彼のクラリネット聴いたのは、ウィーン・フィルがカール・ベ
ームと来日した1977年のことであるが、その当時は彼の名前を知らな
かった。知っていたのは、コンサートマスター何人かと、フルートを
吹いていたので首席だったウェルナー・トリップくらいのもの。

我が家にあるのは、ウィーン室内合奏団として録音したブラームスの
クラリネット五重奏曲。モーツァルトのも持っていたはずだが、さて
行方不明である。

この土曜日にも思い立って聴いたばかりだったが、遅い秋の午後の光
線との絶妙な組み合わせに陶然となっていたのだった。

写真で見ると、厳格そうな人物ではと思われるかもしれないが、似顔
絵の名手でもあって、オーケストラのリハーサルの最中に、指揮者や
同僚の巧みなカリカチュアをパート譜の空きスペースで書き込んでい
ることでも知られている……音楽専門誌だったかに掲載されているの
を見ることがあって、その諧謔味に感心したことをよく覚えている。

享年八十四

合掌

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