旨話§仕出し弁当のお試しとか試食とか

高校生の時、親戚のところで夏休みの小遣い稼ぎをやった。従業員が
数人くらいの工場で、働き始めの初日に仕出し弁当屋を替えるという
ことで、候補の弁当屋から来た“お試し弁当を”試食したのである。

そこで食べた人達の全員が“これはおいしいね!”と、諸手を挙げて
絶賛したので、翌日から早速配達が始まったのだ。

で、初めの一週間ほどこそおいしさをキープしていたのが、次第に首
を傾げる人が出てきて、2週間ほどでそれ以前の仕出し弁当と似たよ
うなレベルまで落ち込んだんだそうである……以前の仕出し弁当を食
べてはいなかったのだが、なるほどこれはちょっとなあと思ったのだ
った。

それこそ仕出し弁当屋が、お得意さんを増やすべく“お試し弁当”に
力を入れるのは、営業的には当然のことであろう。だが、その後徐々
に水準が落ちていくというのは、何とも納得しかねる話ではないか。

それと似たような似てないようなことに、デパ地下やスーパーマーケ
ットで行われている試食販売があるような気がする。試食という空気
が別の雰囲気を醸し出しているのかいないのかはわからないけれど、
なぜか試食の“ほんの一口”は間違いなくおいしくて、そこで買って
しまったものを家に帰って食べても、あの場ほどにおいしいというこ
とは、およそなかったりするという不思議なのである。

《B級グルメのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック