懐話§昭和三十年代~プロセスチーズ~

[承前]

チーズなるものを初めて食べたのがいつのことだったか……たぶん、
保育園に入ったあたりだったかなというのがおぼろげな記憶である。

昭和三十年代、普通に口にできたのは雪印のプロセスチーズくらいの
もので、幼い者の眼には四角くて大きい、石鹸のお化けだとしか思え
ず、口にするのがためらわれたのだった。

ずいぶん経っても、四角いのと6Pタイプの2種類以外に、店頭には
置かれていることもなく、チーズといえばプロセスチーズという認識
で、ナチュラルチーズの存在など知ることもなく、長いこと生きてき
たのである。

ところで、ナチュラルチーズの存在を知ったのはいつのことだったか
記憶をたどってみるのだが、とんと見当がつかない……いや、本当に
初めてのナチュラルチーズを食べたのはいつだったか、何を食べたの
か思いあたることがないのだ。

たぶんおそらく、昭和も五十年代に入ってからのことと思われるが、
それがカマンベールあたりだったのか、例えばピザに使われていたも
のとか、スパゲッティにかけるパルメザンの粉チーズのようなあたり
が、どうも“初めてのナチュラルチーズ”臭いような気がしている。
                            [続く]

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