待話§中村芝雀が五代目雀右衛門を襲名

三月大歌舞伎昼の部の菅原伝授『道明寺』で、立田の前を務めていた
中村芝雀が、父の名跡であった雀右衛門を、来年3月に五代目として
襲名することが決まった。

歌右衛門を襲名するはずだった福助が、病に倒れたまま復帰のめどが
立たないでいたところで、どうなるものかと思っていたが、ようやく
立女形の大名跡の一つが復活する。

旧歌舞伎座の閉場から、新しい歌舞伎座の開場という、ほんの3年か
という間に、大看板の歌舞伎役者が、ある人は天寿を全うし、ある人
は道を半ばにして天に昇っていってしまった。

今の座組を見渡すと、歌舞伎を観始めた13年前には、ほんのちょい役
程度でしか舞台に立てなかった若手がどんどん登用されている。現実
的に薄くなってしまった大看板の層をどうやって埋めていくものか、
松竹も四の五のと言っていられなくなったような気がしてならない。

芝雀を観ていると、歌右衛門、父である雀右衛門のように妖艶な役、
あるいは可憐なお姫様のような役回りよりは、もう少し世話物に寄っ
たあたりを、今のところだが安心して観ていられる。それにしても立
役はもちろん、女形の層が薄い昨今である。芝雀にはさらにがんばっ
てもらいたいのだ。

蛇足ながら芝雀は立教高校を卒業。残念ながら立教大学は中退してい
るが、一浪して入学した時に、芝雀は現役で入学している、キャンパ
スのどこかですれ違っていたのかも知れないが、もちろんその当時に
そんなことを知る由もなかったのである。

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