懐話§昭和三十年代~ひび・あかぎれ~

[承前]

子供の頃……小学校くらいまでだったと記憶しているのだけれど、手
の甲にひびが入るのは冬の間のお約束のようなものだった。

ひびが入る場所は、こぶしにした指の関節のあたりなわけだが、それ
にしてもと思うのは、今も昔も寒さは変わらないはずなのに、どうし
てひびができては皮膚が割れ血が滲んだりしたのだろうと思うのだ。

それで、どこで教えてもらったのか記憶が定かではないのだけれど、
寝る前にハンドクリームの類を手の甲にすりこみ、手袋をして布団に
入ると、あーら不思議……ひびが治ってくれるのである。

そんなことを知るまで、冬にひびで痛い思いをするのはあたりまえの
ことだと考えていて、痛いからといってベソをかくなどということも
しなかったという記憶なのだ。

というわけで今時の子供たちは、手にひびを作ったりするのだろうか
と思いつつ、小学生の自分の手の有様を思い出すのである。
                            [続く]

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