雅話§百人一首考[17]~ちはやぶる~

[承前]

在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)

ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは


やってきました「ちはやぶる」……いや、お気に入りの一首であると
かでなく、落語『千早振る』の元ネタになったとは、他にも百人一首
を題材にした落語には『崇徳院』のようなものもあるけれど、これほ
ど馬鹿馬鹿しい噺は、こっちに軍配が上がるだろう。

噺の筋はこちらを読むのがいいと思うが、冒頭の「ちはやぶる」を、
花魁の千早太夫に仕立てあげ、もう一人の花魁である神代太夫にも聞
き入れられず、相撲を引退して豆腐屋を始めた大関竜田川……とまあ
よくぞここまででっちあげたものだと思うわけである。

それで、本来の歌はどう解釈したらいいのかということが、どこかに
すっ飛んでしまっているのも、自分的にはそんなとことがありそうだ
と、いささか大げさではあるがそんな気になってしまいそうなのだ。

六歌仙の一人である在原業平がものした伊勢物語の中の一首『名にし
負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと』にちな
んで名付けられた、業平橋に近い東武鉄道業平橋駅は、とうきょうス
カイツリーのオープンと同時に、その駅名が消滅してしまった。
                            [続く]

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