却話§はじき出される記憶とか

さても、記憶というものは不思議なものである。心に留めておかねば
ならぬと思いつつ、30分前のことを忘れてしまって、しばしば同居人
から厳しい御言葉をいただくことになってしまったりするのだから。

そうかと思えば、数年前に一言二言の会話をした程度でしかなかった
人間とすれ違った時、同居人に“何年にどこで会ったか覚えてるぜ”
と言ってはドヤ顔で自慢することなど珍しいことではないのである。

刻み込まれている記憶と、記憶野の表面に置かれただけで数分で忘れ
られる記憶とは、どのように質が異なるものなのだろうかと考える。

直近のことを忘れてしまうのは加齢によるものなのかどうか……買い
物をするのにマメにメモを取るようになって久しい。買うべき品物が
3つあるとして、メモを書かなかったがために2つまでは思い出せて
も、もう一つ何を買うべきなのか、頭の中からきれいさっぱり消えて
しまっているということも、ここ数年ほどは珍しくないことなのだ。

結局、連綿と覚えているあれこれと、思い出せない直近のそれとは、
記憶される階層がまったく違うのだと考えるしかないのであろうな。

《老化のトピックス一覧》

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