雅話§百人一首考[36]~なつのよは~

[承前]

清原深養父(きよはらのふかやぶ)

夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
雲のいづこに 月宿るらむ


清原深養父という人が清少納言の曽祖父だということを、ここにくる
まで知らないままだった。百人一首考をやってよかったというのは、
こういうところなのだと思いたい。

ところでまたもや“有明の月”である。つまり“またもや朝帰り”で
ある。通い婚が常態だった平安時代だから、夜が明けかかる頃には、
帰宅を急ぐおのこたちがあちらこちらと歩いてたのが都というものだ
ったのだろう。

夜など真っ暗になってしまった時代だから、日の出とともに活動を始
め、日没になれば活動を収める……明治以前は、いわゆる不定時法で
あって、日の出と日没を基準にして時を刻んでいたから、時が伸び縮
みしていたわけで、そのあたり現代人には理解しにくいところがあっ
たと思われる。

この歌などは解釈本の助けを借りずとも、そのまま読んでしまえばい
いのはありがたい。

そういえば昨日6月10日は“時の記念日”であった。
                            [続く]

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