街話§神保巷塵[27]書泉ブックマート

[承前]

神保町には書泉という名の書店が2軒ある。1軒は靖国通りにあり、
もう1軒は駿河台下交差点にある。そのうち駿河台下のブックマート
が9月一杯で閉店するというニュースがつい先日流れてきて驚いた。

神保町で仕事を始めた時には既にあって、グランデとはまったく違っ
た品揃えは、マニアックな雰囲気を醸し出していたが、自分の趣味と
は傾向が異なっていたので、頻繁に入店したという記憶はないのだ。

これまで神保町には、三省堂、東京堂、冨山房と2軒の書泉という大
型新刊店舗が5軒あったが、冨山房に続いてもう一軒が消えることに
なる。

書籍販売の衰退は否定しようもなく、三省堂のような大規模な書店に
入って見回せば、おぼただしい量の本の洪水に、それじゃあ何を読ん
だらいいのだと聞いてみたくなる我が身が何とも情けない。

そんな仕事に37年半携わっていた自分だが、2週間後には神保町を去
ることになる。37年前大学を出てこの業界に身を投じた時とは、状況
が劇的に変わってしまったことを認めるしかなく、この先の不透明感
はいや増すばかりである。
                            [続く]

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