悠話§定年直前旅[29]酷暑に為す術なく

[承前]

ミュンヘン到着当日と翌日にチケットを引き取った時、オペラ、バレ
エ、コンサートと全部で7つ出かけることになっていた。この日まで
既に4回通っていたが、少しずつ我々の雲行きが怪しくなってきた。

あまりの暑さに、体力が失われていたのである。残り3演目のうち、
今回のオペラフェスティバルがプレミエとなる2演目『アラベラ』と
『ペレアスとメリザンド』の2つについて、断念することにしたので
ある。

『アラベラ』は、売切れだったところに戻りチケットが出て、思わず
買ったのだが、舞台向かって左サイドの立ち見席で『オネーギン』の
時に下見をしたら、ほとんど舞台が見えなかった。せっかくの初日公
演だったけれど、ここまで見えなかったらストレスが溜まるばかりに
なるだろうということで、当日の開演前に劇場付近で売りに出したが
ものの数分で買い手が見つかった。

プリンツレゲンテン劇場で上演される『ペレアスとメリザンド』は、
ドビュッシーのオペラで、個人的には観ておきたかったのだけれど、
さすがにCDで聴いていただけで、オペラの様子を把握しきれずにい
て、結局は断念することになり、チケットは日曜日にお会いした人に
事情を話して差し上げたのである。

ちなみに、アラベラを売って手にした30オイロほどは、その日ここ
呑み食いした夕食代に化けてしまった。まあ……エーデルシュトフが
呑めたので“よし!”ということにしたい。
                            [続く]

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