媚話§トリスタンとイゾルデ~読売日響~

日曜日の午後、サントリーホールでシルヴァン・カンブルラン指揮、
読売日響による『トリスタンとイゾルデ』演奏会形式を聴いた。

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歌手は以下のとおり。

トリスタン:エリン・ケイヴス
イゾルデ:レイチェル・ニコルズ
マルケ王:アッティラ・ユン
ブランゲーネ:クラウディア・マーンケ
クルヴェナール:石野繁生
メロート:アンドレ・モルシュ
牧童、舵手、若い水夫:与儀巧
男声合唱:新国立劇場合唱団

水準の高い濃密な音楽を堪能した。まずもってカンブルラン指揮する
読響の演奏がすばらしい。前週に続いて2回目ということで、音楽が
こなれて聴こえた……ひょっとしたら、7月にミュンヘンで聴いたト
リスタンよりも充実した音色だったのではという気がしてならない。

日頃、日本のオーケストラを聴かないものだから、こういうレベルに
達しているということを、まざまざと思い知らされるのである。

歌手は、トリスタンのエリン・ケイヴスはもう少し声が飛んできてほ
しいと思った。イゾルデのレイチェル・ニコルズは、病気キャンセル
したリスティアーネ・イーヴェンの代役であることを感じさせない歌
声を聴かせてくれた。

ブランゲーネのクラウディア・マーンケの清澄な声は、ややスリムと
感じたものの、息の長い安定した歌声を堪能した。思いがけないなあ
と思ったのはクルヴェナールの石野繁生。やや粗削りではあれども、
見劣りしない体躯からの声は、立派なバスバリトンで、この先も聴い
てみたいものである。

マルケのアッティラ・ユンは“立派な声”ではあったけれど、マルケ
の情感が感じられたかというと疑問で、主要な歌手とのバランスも、
良好とは思えなかった。

第1幕だけの新国立劇場合唱団は、一幕だけの出演とはいえ、いつも
と変わらぬ精度の高さ。

以上、たった2回のコンサートをまとめ上げたカンブルランは隅々
まで行き届いた指揮で、かゆいところに手が届く音楽を聴かせた。

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