顧話§今日の歴史~ラインの黄金初演~

1869年9月22日、ワーグナー『ラインの黄金』が初演される

バイロイト祝祭劇場で『ニーベルングの指環』四部作が通し上演され
たのは1876年のことだが、四部作の後半『ジークフリート』の作曲が
完成したのは1871年で『神々の黄昏』は1874年に完成している。

ワーグナーのパトロンだったルードヴィヒ二世は、4作の完成が待ち
きれず、ミュンヘンの宮廷歌劇場で『ラインの黄金』と『ワルキュー
レ』を単独で初演させたのだ。

それにしても当時の人たちの時間の流れの悠長さはすごいなあと思わ
せられるのは、ワーグナーが『ラインの黄金』の音楽を完成させたの
が1854年だったことで、初演にこぎつけるまで15年もかかっていると
いうことである。

18世紀や19世紀という時代においては、よほどの事情がない限り、作
曲された作品はしかるべく速やかに演奏されていたはずだった。当時
の作曲家の多くは王侯貴族に雇われていて、そうした人間のリクエス
トに応えて音楽を作っていたからという事情がある。

ただし19世紀も後半を過ぎると、作曲家は“フリーランス”となり、
音楽を売るという生業になってしまったわけで、そういう意味で特に
ワーグナーは指名手配されたり、借金で逃げ回ったりと音楽以外の事
情が、上演環境を構築できなかった理由になっているかもしれない。



10月に入ると新国立劇場で、久々に『ラインの黄金』が上演されるが
それについて、音楽監督にして今回の指揮者である飯守泰次郎自らが
ラインの黄金の音楽を開設しているので、それをご覧いただきたい。

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