雅話§百人一首考[66]~もろともに~

[承前]

前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)

もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし


修行僧時代の行尊が詠んだ一首である。平安時代ということを考える
ならば、なかなかに厳しく、なかなかに寂しい修行環境だっただろう
と想像する。

歌を詠むとは、自分の中のイマジネーションをフル稼働させて三十一
文字にまとめあげることと思っているが、そう考えると行尊のイマジ
ネーションは、相当に繊細なものがあると見受けられるではないか。

ところで、このお坊さんは霊感が強かったようで、時の帝の病気を祈
祷によって回復させたというのだ。こちとら霊の存在をはじめとして
霊力とか霊感とか一切合財を信じていないから、例に(洒落ではない)
よって、眉唾でそんな話を読み、スルーしていってしまうのである。
                            [続く]

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